「外国人留学生の参加はエントリー人数の20%前後」
なぜ人数制限ではなく「20%」という規定になったかというと、他の競技でも外国人留学生が出場するケースが増えてきたからだ。高校駅伝においては、外国人留学生選手のエントリーは2人まで、出場は1人のみとなった。
ジェンガは1994年の全国高校駅伝も1区で快走。区間2位の日本人選手に40秒という大差をつけている。それから2007年大会まで“花の1区”は、ケニア人留学生が区間賞を奪い続けた。そのパワーがあまりにも巨大だったため、2008年大会から、男女とも外国人留学生選手の起用について「1区を除く区間」という規定に変更されたほどだ。
仙台育英の〝成功〟が大きく、その後は全国各地にアフリカ(大半はケニア)からの留学生が入学するようになった。インターハイの男子5000mでは、ケニア人留学生が26年連続で優勝をさらっている。今年度(2018年)の男子5000mランキングを見ると、上位をケニア人留学生が独占。50位以内に10人の留学生が入っている。ちなみに長距離以外の種目では、外国人選手の名前は見当たらない。「駅伝」という人気種目で、学校名をPRしたい経営者側の思惑が影響しているのだ。
留学生の獲得は勝敗の“即効性”がある
なぜバスケと駅伝に留学生が多いのか。
ひとつは留学生の「20%ルール」を最大限生かせるというメリットがある。バスケは5人でプレーするので、留学生は常に1名をオンコートすることができる(エントリーは2名)。2mを超すセンターがいれば、ボールの支配率がグンと上がるため、留学生が1名いるだけでかなり有利になるのだ。高校駅伝の場合、男子は7区間42.195kmで競われる。留学生が起用されることが多い3区は約8.1kmと、こちらも20%ルールの上限に近い。近年は3区の留学生で抜け出して、そのまま逃げ切るというのが勝ちパターンになっている。
それから、全国上位クラスの強豪校がない都道府県では、圧倒的な実力を誇る留学生がひとりいるだけで、地区大会を突破することはさほど難しくない。手っ取り早く「成果」を出すという意味では、留学生の獲得は“即効性”があるといえるだろう。