人気が落ちる学校の見分け方とは?

では、どんな学校の人気が落ちていくのか? 3人の識者は「時代感覚に疎い学校」と声を揃える。

「少子化が厳しい地方でも、さまざまな政策で生徒数を伸ばしている学校はある。ビジョンのない学校は難しいでしょう」(森上氏)

「閉鎖的で情報発信の弱い学校や、校長や教員が時代の変化や社会に無関心な学校は発展しないでしょうね」(安田氏)

中曽根氏は、学校説明会などで、今後の社会の変化やそれに対する対応などを質問するとよいと言う。

「明確な回答が返ってこない学校は厳しいですね」

これは公立高校も同様だ。さらに安田氏は「すべての子供にとっていい学校はありえない」と強調する。まずはわが子を知り、わが子の個性に合う学校を選ぶことが重要だ。

さらに3人の識者は、偏差値や大学合格の実績ばかりを重視した学校選びも避けるべきと話す。

「東大合格者が出ると翌年の出願者数が増える傾向がありますが、合格実績を参考にするなら、ボリュームゾーンがどのレベルの大学に合格しているかを見るべきです。もちろん、それだけで判断するのはナンセンスですが」(森上氏)

中曽根氏は「学校の本質的な部分を見てほしい」と言う。

「たとえば、桐朋女子は教育改革が話題になるずっと以前から探究型の学びを行ってきました。本当の意味でわが子の力を伸ばしてくれる学校を選びたいものです」

親に求められるのは、社会の変化にアンテナを張り、わが子を伸ばしてくれる学校を見極める目だ。

安田 理
安田教育研究所代表
出版社での雑誌の編集長を経て、受験情報誌・教育書籍の企画・編集に従事。教育情報プロジェクトを主宰、教育に関する調査・分析を行う。
 

森上展安
森上教育研究所社長
中学受験塾、私立中高一貫校と父母向けのセミナー開催、ニューズレター発行、リサーチ・コンサルティング業務、執筆、講演活動を行う。
 

中曽根陽子
教育ジャーナリスト
教育雑誌、経済誌、新聞連載など幅広く執筆。海外の教育視察や講演も行う。「Mother Quest」を立ち上げ、ワークショップを定期的に開催。