仕事のストレスに加え、家では妻の愚痴を聞かされる

仕事で人が抱えるストレスの多くは、人間関係だ。契約が進まないことについて上司から何度も叱責を受けたり、問題行動を起こす部下に注意しても本人は全く意に介さずにいられたりすれば、不愉快になり、その気分を長く引きずる。

酒井光雄『男の居場所』(マイナビ出版)

人はストレスが高じると眠れなくなることがあり、心理的ストレスが肉体的な疲労と重なると非常に辛く、また危険だ。こうした時には自宅では何も考えず、放心していたい気持ちになる。

そんな気分の時に限って、帰宅して妻から不満や愚痴を聞かされるとさすがに嫌気が差す。また休日になにもせず、羽を伸ばそうとしてもそれがかなわない時も辛い。

「仕事から帰って、テレビを見るだけでゴロゴロしてられていいわよね……」
「この前話した子供の塾だけど、月謝が上がるけど仕方ないでしょ……」
「自分が食べた食器くらい自分で片付けてくれない……」
「パパは良いわよね。家では何もしなくていいものね、○○ちゃん。あなたが結婚する時は家事も育児も分担してくれる人を選ばないとダメよ……」

などと帰宅して早々にまくし立てられたら、強靱に見える男性でもボディブローのようにダメージを受ける。

「会社辞めちゃおうかな……」「なに寝言を言っているの」

自分が抱えている問題を、男は簡単に人に話ができず、自分の心の内にしまい込んでしまう。そんな時にひとり酒を飲むと、飲み過ぎて睡眠不足や二日酔いという悪循環になる。

仕事のストレスで悩んだあげく、朝、会社に向かう時に、玄関で靴をはきながら男性がつぶやいた話だ。

「もう会社辞めちゃおうかな……」

すると妻は、

「なに寝言を言っているの。さあ、お仕事、お仕事」

と、家を送り出した。

この男性は人に話せない自分の辛い気持ちを妻に告げるほど深刻な状態で、相当追い詰められていた。

男性が辛い心情を口に出して伝えるのは、もう後がない切羽詰まった状態だ。嫌なことがあると、それをすぐに口に出して発散することができる女性とは大きな違いだ。