――百田さんは「日本史」に関する書籍を2018年秋に出す(※編註:取材後、18年11月に『日本国紀』が発売された)。数々のベストセラーを世に送り出してきた百田さんですら「本が売れない時代だ」と嘆く。

いまの世の中には、TVにDVD、さらにはスマートフォンなどがどんどん出てきて、現代人の限られた余暇時間を奪い合っています。そうしたなかで、読書の時間が減ってしまうのは、ある意味で致し方ない。

しかし、本にはそれらと大きく異なる点があります。本を読むのには自らが能動的に文字と格闘し、頭をフル回転させる必要がある点です。論理的な思考力を鍛え、脳を活性化するのに、とても役立ちます。もしこのまま日本人が本を読まなくなれば、日本人の思考力は衰退して、ひいては国が滅んでしまう。そうならないためにも、皆さんには一冊でも多くの本を手に取ってもらいたいですね。

▼百田尚樹さんの主な作品
『永遠の0』2006年8月 太田出版/講談社文庫
『ボックス!』2008年6月 太田出版/講談社文庫
『風の中のマリア』2009年3月 講談社/講談社文庫
『モンスター』2010年3月 幻冬舎/幻冬舎文庫
『影法師』2010年5月 講談社/講談社文庫
『幸福な生活』2011年5月 祥伝社/祥伝社文庫
『プリズム』2011年10月 幻冬舎/幻冬舎文庫
『海賊とよばれた男』2012年7月 講談社/講談社文庫
『夢を売る男』2013年2月 太田出版/幻冬舎文庫
『フォルトゥナの瞳』2014年9月 新潮社/新潮文庫
『大放言』2015年8月 新潮新書
『カエルの楽園』2016年2月 新潮社/新潮文庫
『雑談力』2016年10月 PHP新書
『幻庵』2016年12月 文藝春秋
『戦争と平和』2017年8月 新潮新書
『逃げる力』2018年3月 PHP新書
百田尚樹(ひゃくた・なおき)
1956年、大阪府生まれ。同志社大学中退。放送作家として人気番組「探偵! ナイトスクープ」などを構成する。2006年『永遠の0』で作家デビュー。13年『海賊とよばれた男』で第10回本屋大賞を受賞。
(構成=野澤正毅 撮影=熊谷武二)
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