また、野口氏は、聞かれている内容について、“ズバリと答える”ことが重要だと話す。たとえば「あなたの長所は?」という質問には「私の長所はコミュニケーション力です」と最初に簡潔に答え、具体例を短く付け加えるほうが印象がよい。
「多くの人が『私は7年間営業をやっていて、そこで~』といった具合に、周辺の情報から答えがちなんです。そうすると、だんだん質問からずれていったりしますし、何より最初に簡潔に答えると賢い印象を与えられます」
質問にズバリと答えるためには、企業研究と同じく、事前準備が重要になる。自己分析はもちろんのこと、仕事上のエピソードをどれだけ用意していけるかがカギを握る。
「面接では、とにかく具体的なエピソードを話しましょう。失敗やミスをしたときについての質問も、それにどう対応し、何を学んだかまで話すことです。こうすれば面接官の心にぐっと響きます」
自分を正直に語る人に、人は魅力を感じる。面接で失敗談を話すことにリスクを感じるかもしれないが、その後の行動がポジティブであるならば、印象はよくなる。また、アピールしたい内容は、ノートなどにまとめておくとよいと言う。
「頭で考えただけで面接に臨んでも、その場で言葉が出てこないもの。書いてまとめておけば、頭にインプットされるでしょう」
A.この会社にどんな魅力をお感じですか?
B.残業している人は多いのですか?
【答え】A
何も質問しないと熱意がないとみなされることもあるため、ぜひ聞いたほうがいいとされる「逆質問」。何を聞いたらいいのかわからないという人は、面接官自身が会社に対して感じている「魅力」を聞いてみよう。会社の意外な一面がわかることも。
面接の最後に聞かれる「何か、聞きたいことはありますか?」という質問が苦手な人も多いだろう。もし何も思い浮かばなかった場合、「(面接官の○○さんは)この会社にどんな魅力をお感じですか?」など、面接官自身に質問することを野口氏は勧める。その際に聞く力を発揮できると、面接の成功度が高まると言う。そのときに注意したいことが、自分が主体にならないこと。
「とくに男性は、相手の話の腰を折って、自分の知識を話したり、相手が話したいこととは違うことを質問してしまいがちです」