「人生にはお金がかかるから、子供はひとりにしている」

富裕層ではない、中流家庭の中国人や韓国人の知人から「子どもをあえてひとりっ子にして、その子に集中投資をする」という話もよく聞きます。その良し悪しはさておき、ライフプランや家族計画を綿密に立てることは日本人も見習うべきことです。中国やインドからシンガポールに来ている家族の多くは外国人扱いです。外国で教育を受けさせると多額の費用がかかるので、覚悟が違うのです。

国の支援が薄い日本においても、計画的に教育費を準備していく心構えを持ったほうが良さそうです。

中国やインドの子供達と競う為に教育費の計画的な準備を

また、将来的に日本人の子供達は中国やインドの子供達とも学力や能力などで競っていくこともなります。子供が将来グローバル企業で働こうと思った場合、幼い頃から英語の環境で学び、母国語や自国文化も理解をし、中国語などその他の語学もでき、音楽や水泳やダンスなどの文化にも精通している世界中からのライバルたちと、仕事でのポジションを争うことになるはずです。

シンガポールで生活をしていると、日本の将来について私は焦りと恐怖を感じます。これからの日本は、教育費への公的支出を増やすだけでなく、各家庭が教育費を計画的に準備し、投資していく必要があるのではないでしょうか。

花輪陽子(はなわ・ようこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者
1978年、三重県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系投資銀行に入社。退職後、FPとして独立。2015年から生活の拠点をシンガポールに移し、東京とシンガポールでセミナー講師など幅広い活動を行う。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)など著書多数。テレビ出演や講演経験も多数。
(写真=iStock.com)
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