棺の中では、死に化粧より素肌で「勝負したい」
人生の最後、いよいよ棺に入るとき、人々にさらしているのは、首から上。顔だけだ。死に化粧もいいが、今から磨いておけば、素肌で勝負できるのではないか。「有終の美」を飾ることができるかもしれない。
“素肌教”の50代の仲間は筆者にこうつぶやいた。
「介護されるとき、棺の中にいるときはもうすでに自分は無力。だからこそ今から、いつそうなってもいい準備をしたいのよね」
そういえば、明治生まれの祖母と暮らしていた頃、お風呂に一緒に入ったことが何度かあった。祖母は、長風呂だったが、必ず出る前に顔を水で洗っていた。寒い冬もだ。
私はなぜかと聞いたことがあった。すると祖母はすかさず私に言った。
「死に顔がキレイになるから」
人生が長くなった今、女性たちは、いつまでもキレイにしていなければならなくなってしまった。美に脅迫されて生きているともいえるが、美を追究したいのが女性のサガでもある。今後、「終活美容」がはやりそうである。