安倍政権への直接的な批判を控えている石破氏
「今回、石破氏が掲げたキャッチフレーズは『正直、公正』だ。森友・加計問題で、行政の公平・公正に対する信頼が失墜し、野党の質問に正面から答えようとしない首相の不誠実な対応に批判が集中したことが念頭にあるのは間違いない」
朝日社説は、挑戦者となる石破氏が鋭い舌鋒で、安倍氏に迫ることを期待しているのだろう。
「きのうの立候補会見では『政治・行政の信頼回復100日プラン』の実行を掲げた。期限を切って、強引な国会運営を見直し、官邸主導のあり方も見直す考えを強調した」
「石破氏は安倍政権の現状に対する直接的な批判は控えていたが、問おうとしているのはまさに、安倍1強政治の弊害そのものだろう」
「官邸主導のあり方の見直し」と「安倍1強政治の弊害」。いずれも冒頭で沙鴎一歩が指摘した問題である。
そんなに選挙に勝ちたいのか
続けて朝日社説はこう指摘していく。
「総裁選後の党役員・閣僚人事を見据え、こぞって首相にすり寄る姿は、1強の下、活力を失った党の現状を物語る」
「寄らば大樹の陰」とばかり安倍首相にすり寄る国会議員たちは、もはや自らの利益しか考えていない。そんなに選挙に勝ちたいのか。むなしいことだ。痩せても枯れても、国民の福祉の向上を目指すのが、国会議員ではないだろうか。
さらに朝日社説は指摘する。
「そんな中で注目されるのが、今回から国会議員票と同等の重みを持つことになった、全国の党員・党友による地方票の行方だ。01年の総裁選では、地方票で小泉氏が圧勝することが分かり、国会議員の判断に大きな影響を与えた」
石破氏はこの地方票の獲得に強いといわれている。小泉氏のときような大展開があれば、自民党総裁選は中身のあるものになるはずだ。