(6)教育無償化
政治家の甘言を信用できるのか

自民党は消費増税の増収分の一部を充て、幼稚園・保育園(3~5歳)の費用を無償化する公約を掲げた。一部の高等教育の無償化もある。ただ、財源は明確化されていない。

▼荻原コメント

教育無償化に対して政治家がどこまで本気なのかは怪しいもの。でも国が負担する教育費は、他の先進国に比べて非常に少ないのが現状です。日本では国立大学(自宅生)でさえ授業料のほか、入学金、通学費、図書費などを含めると4年間に500万円以上かかる。だから50%を超える学生が奨学金を利用しています。頭がよくてもお金がなければ大学で学べないわけです。

でも、日本の教育環境もこれからガラリと変わるでしょう。今や授業料がすごく安いインターネット塾も登場しています。まだ知名度は高くありませんが、インターネット大学もあります。

結論:政治に頼らず、授業料の安い塾を効果的に取り入れる


(7)北朝鮮暴発リスク
有事の資産防衛はしておくべきか

安倍政権はトランプ米大統領と共に、北朝鮮の金正恩政権に圧力をかけ続けている。国際社会の包囲網が強まった結果、窮鼠猫を噛むかのごとく、北朝鮮が暴発する日が来るかも。

▼大江コメント
AFLO=写真

これはあくまで私個人の考えですが、日本にミサイルが飛んでくるような戦争は起きないと思います。仮に北朝鮮暴発リスクがあるにしても、「有事の資産防衛」は必要ない。よく金地金やビットコインがいいと言われますが、もし日本がミサイル攻撃されたら金を保管している貸金庫はもちろん、銀行も閉鎖されてしまう事態だって起こりかねません。ビットコインもどんな値動きになるか、まったく想定できません。「有事の金」とよく言いますが、これは昔、欧州で戦争が起きて難民が逃げ惑ったとき、持ち運びできる金が役立ったことに由来した話。島国の日本は、そもそも金を持って逃げるところがありません。

結論:有事に備えて、金やビットコインを買う必要はない

大江英樹
経済コラムニスト
大手証券会社を定年退職後、オフィス・リベルタス設立。資産運用、企業年金、シニア層向けライフプランなどをテーマに執筆や講演などで活躍中。
 

中原圭介
経営アドバイザー・経済アナリスト
その経済予測の正確さには定評がある。著書多数。2017年11月に『中原さん、未来の日本経済はどうなるんですか?』を上梓予定。
 

荻原博子
経済ジャーナリスト
大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。家計経済のパイオニアとして、経済の仕組みを生活に根ざして平易に解説して活躍中。著書多数。
 
(構成=河合起季 撮影=大沢尚芳、加々美義人 写真=AFLO、時事通信フォト、iStock.com)
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