(2)消費税増税
10%引き上げで家計はさらに厳しく

安倍政権は「2019年10月の消費税率10%への引き上げ」を予定通り実施する考え。14年4月に消費税率が5%から8%に上がったときのように、景気回復に強いブレーキがかかることを覚悟しておいたほうがいい。

▼荻原コメント
AFLO=写真

もし増税したら消費がさらに落ち込み、企業の売り上げが減り、賃金も上がらないという悪循環が続き、急速に深刻なデフレへと逆戻りします。消費税の増税は、よく「子孫にツケを回さないために必要」なんていわれますが、これはウソ。私たちが消費税を払うようになってから、たかだか28年、それも平均で5%程度。でも、これから生まれてくる子は一生涯10%以上の消費税を払う。子孫にツケを残しまくりです。

家計の防衛策としては「お金を使わず、貯める」ことと「収入を増やす」ことしかない。夫は副業を始め、妻はパートではなく正社員になり、子どもはアルバイトをして、と一家総出で稼がないと、この難局は乗り切れないかも。政府は厚生労働省「モデル就業規則」の副業について「原則禁止」から「原則容認」に変更する方針です。自分にどんな副業ができるか、1度じっくり考えてみてはどうでしょうか。

結論:一家総出で稼げ! 副業も要検討

▼大江コメント

今増税しないと、国の財政が危なくなるなんてことはない。日本の借金は確かに約1070兆円ありますが、バランスシートで見ると資産も結構ある。現預金や有価証券、独立行政法人などへの出資金のほか、日本銀行法によって日銀の財産はすべて国のものになるため、日銀が保有する国債も国の資産になります。これらをすべて足すとトータルの赤字は100兆円程度で、GDP(約520兆円)の約2割。特に心配することはありません。

もし増税が実施されたら、やってはいけないのが増税前の「駆け込み消費」。前回8%に上がったときでおわかりのように、増税後のほうが住宅もクルマも家電も安くなります。また、一般に増税後は一時的な景気後退が来ます。アクティブな株式投資をやっているなら、増税前に株を売って現金に換えておき、増税後の株価が下がったときに買い直す戦術を検討してみてもいいでしょう。

結論:増税前の駆け込み消費は、やってはいけない