(4)残業代カット
今後、対象者大幅拡大の恐れは?

労働基準法改正案では、残業代ゼロは「年収1075万円以上」「高度専門職」に限定されるが、法案が通れば、省令で簡単に内容は見直せる。経団連は以前から「年収400万円以上に適用せよ」と要求している。

▼荻原コメント
時事通信フォト=写真

残業代カットの対象となる年収や職種は、いずれ必ず広がります。労働者派遣法がそうでした。派遣可能業種が当初の13業務から16業務に、そして26業務に広がり、さらに今では業務の分類さえもなくなっています。経団連の求める年収400万円まで、おそらく同じような道を辿るでしょう。

でも、会社勤めだと自分の好きなことが自由にできるわけではなく、いつまで経っても束縛されます。ならば、いっそのこと60歳の定年を機に、あるいはその前に起業してしまうのも1つの選択肢です。そのためには、50歳以上になったら会社以外の人脈を広げていくことも大切。今は、アイデア次第でインターネットを活用したビジネスがいろいろできます。海外勤務の経験があるなら、「シニア海外ボランティア」はどうでしょう。仕事にもよりますが、2年間の勤務で130万円くらい貯まるそうです。

結論:会社の給料だけに頼らず、副業やプチ起業も視野に

▼中原コメント

安倍政権の「働き方改革」では、残業時間の大幅な削減が義務付けられる見通し。しかし、今の企業の賃金体系は残業代の占める割合が少なくなく、残業が減ればサラリーマンの給料が下がってしまう。時代の趨勢として残業を少なくするのは仕方ないですが、その分、企業は基本給を上げる必要が出てきます。しかし、その実現は極めて不透明な情勢です。

こうした状況下、国民に自助努力で資産運用すべきということ自体が間違っています。投資するなら、一生涯働けるように自己投資にお金を回すといい。例えば、経営やファイナンス、マーケティングなどの知識を身につけられる社会人向けのビジネススクールに通うのはどうでしょうか。学費の捻出が難しい場合は、安上がりなインターネット大学で学んだり、書物で学んだりする方法も。学ぶのに年齢は関係ない。いくつになっても好奇心を失わず、新しいことにチャレンジする気持ちと行動力が大切です。

結論:ビジネススクールや書物などを利用して、自己投資