月5万円の終身型保険を払い済み保険に切り替えた
本来、保険はライフイベントのたびに見直すべきもの。例えば、家を買ったとき、妻が働きに出たときなどは、保障額を減らすことができる。
岡田家においては「子どもの独立」がそのライフイベントにあたる。そもそも生命保険とは、夫に万が一のことがあった場合の妻の生活や子どもの教育費をカバーすることが目的で加入するもの。子どもが独立し、妻も働いているとなれば、それも不要だろう。家族のための保険をやめ、自分の日常のためにお金を使う時期がやってきたのだ。
見直しの結果、岡田さんは2つの保険を残して解約した。1つは死亡保障。ただし、それまで契約していた月5万円の終身型保険を払い済み保険に切り替えた。払い済み保険とは保険料の払い込みをストップして以後支払わない代わりに、保障額を下げた保険に変更したものをいう。保障額は下がるが、5万円の保険料がゼロになるのは大きい。
医療保障も残した。実は医療保険は医療技術の進化やニーズに合わせて保障内容が変化しており、見直したほうがいい場合も。岡田さんの場合は、60歳までの短期払いにしており掛け金は高いが、あと7年払えば一生涯分の保障が手に入るため、そのまま継続とした。
残るは、全体的な家計のサイズダウンである。子どもがいない世帯にふさわしい「身軽さ」を目指したい。例えば就職しても実家暮らしを続ける子どもが、家にお金を入れず、保険料も食費も通信料も親持ちというケースがある。しかし社会人として自立させる意味でも、自分で払わせたほうがいい。
また賃貸暮らしの世帯であれば、子どもの独立を機に、コンパクトな賃貸住宅に引っ越すのもいいだろう。岡田家は住宅ローンがまだ続くため、住み替え等は考えていないが、払い終わっていれば売却し、手ごろな中古マンションを購入するという選択肢もある。一軒家ならば、空き部屋を「民泊」として貸し出し、副収入を得てもいい。