マイカーを手放し、カーシェアリング利用で駐車場代0円

さて、次に岡田家が見直したのは自動車だ。家族で行楽に出かけることもなくなり、月に1~2回郊外のホームセンターへ出かける程度。にもかかわらず駐車場代やオイル交換など維持費が高い。そこでマイカーをやめ、今後はカーシェアリングやレンタカー、タクシーなどを利用することにした。

カーシェアリングなら半日借りても4000円程度で済み、駐車場代もかからない。最近は徒歩10分圏内にカーシェアリングのステーションがある家が多い。幸い岡田さんの家も徒歩5分圏内にあった。

食費12万円という数字からは、岡田夫妻の人生観が垣間見える。要するに、“よく食べよく飲む”2人なのだ。毎月8万円は内食代、4万円が外食代に消えていた。趣味や娯楽の類いは削ろうと思えば削れるが、切り詰めすぎると暮らしの潤いがなくなる。そこで「必要額を確保するために、無駄な出費を減らす」方針をとった。これからは外食費を2万円と定め、その代わり「家飲み」を充実させることにした。レストランで飲んでも家で飲んでも、ワインの味に変わりはないが、値段は3分の1になる。

また8万円の内食を6万円に。食費用の財布をつくり、毎週月曜日に1万5000円のみを財布に入れ、それ以上は使わないようにした。これなら家計簿をつける手間も不要だ。食費の見直しにともない、夫の小遣いを6万円から4万5000円に減らした。小遣いの適正額は手取り収入の13%ほど。6万円では約18%に達し、若干もらいすぎである。それまで夫の小遣いで購入していたワインを食費から捻出することにし、理解を求めた。

こうして家計のスモールサイズ化を進めた結果、月々の収支は「6万円近い黒字」に。残ったボーナスをまるまる貯蓄にあてることもできるので、老後資金も無理なく貯められるだろう。

▼節約術 保険を見直す4大ライフステージ
・家を買った
住宅を購入し住宅ローンを組んだときには、たいてい団体信用生命保険に入る。ローン債務者が死亡すると住宅ローンは消滅するため、過度の生命保険はいらなくなる。

・妻が働きに出た
育児に専念していた妻が仕事に復帰すると世帯年収がアップする。夫に万が一のことがあっても妻の収入でカバーできると考えれば、保障額は減らせるはず。

・子どもが独立した
子どもが独立すれば、教育費や生活費など「子どものため」の保障が不要に。死亡保障は「配偶者のため」だけでよい。浮いたお金は老後資金づくりに回そう。

・遺産が入った
保険は「もしものときのお金を用意してくれるもの」。十分な貯蓄があれば保険に頼る必要はない。遺産が多額であるほど保障額を減らせる。

飯村久美
ファイナンシャルプランナー
損害保険ジャパンを経て現職。これまで800件以上の家計診断を経験。著書に『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』など。
 
(文=東 雄介 写真=PIXTA)
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