▼case 2
定年後は自営業に転身

年金の支給停止はなしで、働けば働いた分家計は潤う
(村上家)夫/平均年収500万円。60歳で定年退職したあと、自宅で蕎麦屋を開業。手取り年収は168万円。妻/平均年収350万円。60歳で定年退職後、夫の蕎麦屋を手伝う。夫と同じ歳。60歳時点の世帯貯蓄は2000万円で、変動率は年0.3%。支出は基本生活費330万円、住宅維持費30万円、特別費(レジャー費、介護費など)65万円で、変動率は年0.5%。

自宅を改装し蕎麦屋を開店

定年後、自営業に転身した場合はどうだろう。村上さん(仮名)は同年齢の共働き夫婦。揃って浪費家で60歳時点の貯蓄は退職金2000万円のみ。基本生活費や住居費は金田さんと変わらないが、特別費は65万円と多めを見込んでいる。夫の平均年収は金田さんより100万円低い500万円で、年金は夫分が63歳から厚生年金が131万円、65歳からは国民年金を加えた209万円が支給される予定。妻は61歳から厚生年金が91万円、65歳からは170万円が支給される。

夫が90歳時点での年金受取総額は夫が5696万円。金田さんより平均年収が低い分、年金も少ないが、妻も厚生年金に加入しており、受取額は4784万円。夫婦の合計は1億480万円となる。

「これが共働きのメリットです。妻が専業主婦やパートなら、厚生年金に加入できるような働き方に切り替えたほうが老後の安心感につながります」

とはいえ、60歳で2人ともリタイアすると75歳で破綻。やはり働くことが重要となる。