医療的ケアは24時間、365日必要という現実

「もみじの家」は、センターの敷地内にあるため、医療的なサポートが保障されています。ケアスタッフには看護師が総勢15人おり、24時間態勢で常駐しています。

(上)光の変化、スライドの投影、波の動きを体感できるウォーターベッドなどを使って、楽しみながら五感を刺激する「スヌーズレン」を行える部屋も用意されている。(下)右側の台に子供を乗せた後、台を左の浴槽の上にスライドさせる。スイッチを入れるとお湯を張った浴槽の方が上昇し、子供は上下に動くことなく、お風呂に入ることができる。

宿泊していただくお部屋は、ご家族も一緒に泊まれるタイプや、お子さんだけの相部屋など、ニーズに合わせたいろいろなタイプをご用意しています。利用料は1部屋当たり2000円~4000円で、最長で1回9泊10日まで滞在できます。

一般浴室では温泉旅館に来たような雰囲気の中、広い湯船で家族一緒にお風呂を楽しむことができます。また、機械浴室では子供を上下に動かすのではなく、浴槽自体が上昇してくれるので、寝たまま落ち着いてお湯につかれます。

医療的ケアは24時間、365日必要とされることもあります。医療的ケア児を持つご家族、特にお母さん方のご苦労は言葉では言い尽くせません。

「もみじの家」をご利用いただくにあたり、入所初日の手続き時にお茶をお出しすると、「こんなにゆっくりとお茶を飲んだのは久しぶりです」とおっしゃるのです。裏返すと、たった一杯のお茶も落ち着いて飲むことができないほど、日常が厳しいということです。やはり、わが子の命に対する責任を一番背負っているのがお母さん方なのでしょう。

なのに、お母さん方は施設を活用して自分の時間を持つことにすら罪悪感を抱きがちです。

お母さんの時間も必要です。兄弟がいる場合は、兄弟が我慢していることもあります。「もみじの家」でお子さんが楽しんでいる様子を見て、「子供を預けて良かった」「預ける方が子供にとっても良いことなんだ」と思ってほしい。そうすれば、罪悪感に苦しむこともなくなると思います。

そのため「もみじの家」では、毎日、保育士と介護福祉士が中心になって朝夕に行う遊びの時間や、ミラーボールやウォーターベッドなどで五感を刺激する「スヌーズレン」を行う部屋などを活用して、子供たちの成長発達をサポートしています。活動中も常に看護師が必要なケアに当たりますので、安心して自宅ではできない経験をしていただけます。