――ちなみに出口さんは、保険会社の仕事を最初から「天職」と思っていましたか?
いいえ、僕も生命保険の仕事をはじめたのは全くの偶然でした……。でもやってみないと何が天職かわからないですから。
――「こういう仕事をしてみたい」というのはなかったですか?
強いて言えば、旅と食べることが好きなので「添乗員」ですね。過去に何度か自分でツアーを企画・主催して添乗員をやったことがあって、結構評判がよかったんですよ。実際、これからしばらくは添乗員の仕事をやる時間はなさそうですが。
――向いていると思う仕事には、就いていないんですね。
おそらく最初から「これが自分の天職だ」と思って仕事をしている人は少ないと思いますよ。多くが親の仕事を継いだり、周囲から勧められたり、たまたまその仕事に就いたというパターンでしょう。
――出口さんは2018年1月から大学の学長になられました。しかも場所は大分・別府。これも運命と考えているのですか?
僕は人生は偶然の産物だと思っていて、「川の流れに身を任す」がモットーです。もちろん与えられた役割を全力でこなすのが前提ですが。そのほうが何が起きるかわからないし楽しいですよね。そう思っていたら今度は、大分の大学に流れ着いたという感じでしょうか。
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立命館アジア太平洋大学(APU)学長
1948年、三重県生まれ。京都大学卒業。日本生命ロンドン現地法人社長、ライフネット生命社長・会長を経て、2018年1月より現職。