記者は「ブログ頼み」の取材から脱却すべき

さて、話は民放連研修会での一場面に戻ります。前述の場で記者のみなさんには、たまたま目にしたブログのストーリーに基づいて取材するのではなく、日々行われている水面下での交渉をスクープしていただきたいと要望いたしました。

私はテレビ朝日に勤務していたとき、先輩たちから「独自の取材ネットワークを構築せよ。他社の報道を焼き直ししたようなネタは要らない」と繰り返し指導されました。知られざる情報をスクープすることは報道機関の責務であり、非常に重要なことだと思います。

都政の今後を左右するような大事な情報は、ブログには載りません。一方的なストーリーは、ある面では正しいようにみえても、多面的に考察すると印象操作であることがほとんどです。健全に真正面から権力をチェックする記者が増えれば、政治家の質は高まり、結果として日本は良くなっていくものと確信しています。

川松 真一朗(かわまつ・しんいちろう)
東京都議会議員(自由民主党、墨田区選出)
1980年生まれ。墨田区立両国小中、都立両国高、日本大学を経てテレビ朝日にアナウンサーとして入社。スポーツ番組などを担当。2011年、テレビ朝日を退社し、2013年都議選で初当選。
(写真=時事通信フォト)
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