抽象的になるが、知恵を絞って圧力をかけていく必要がある。だれにも弱点はある。国家にも弱点はある。そこをうまく突くことである。

当面は北朝鮮から目が離せない

9日付の産経社説はその中盤で「核・ミサイル開発のほか、劣悪な人権状況、外国人拉致など北朝鮮を全般にわたり非難した」と指摘し、「それでもなお、金正恩氏に向けて、核・ミサイル開発の放棄を前提に『よりよい未来への道を提供する用意がある』と述べた」と書く。

そしてこう主張する。

「こうしたシグナルを金正恩氏は見逃してはなるまい」

北朝鮮は米国をかなり恐れている。そこから判断すると、シグナルは決して見逃さないはずだ。トランプ氏が日本、韓国、中国とアジアの国々を回ってどこまで成果を上げることができるか。トランプ氏の動きに金正恩氏はどう行動するか。北朝鮮から目が離せない状況は変わらない。

日本には米韓の温度差解消の役目がある

毎日社説(9日付)も産経社説と同じように「核放棄を迫る強い警告だ」(見出し)と強調する。社説の後半で「金委員長にとって最も重要なのは現体制の存続である」として次のように論じていく。

「北朝鮮は、核兵器を持たなければ米国に攻撃され、体制崩壊に追い込まれると主張する。欧米に攻撃された後に政権が崩壊したリビアやイラクを念頭に置いた考えだ。しかし、核保有が体制存続を保証するわけではない。むしろ核放棄こそが体制存続につながる賢明な道である。金委員長はトランプ氏の警告を真剣に受け止めねばならない」

核保有こそが、わが身、わが国家を滅亡させる。北朝鮮は核を持たない日本、世界で唯一の被爆国をどう考えているのか。一度、金正恩氏に聞いてみたいテーマだ。

9日付の日経社説は「日米韓の対北連携は大丈夫か」(見出し)と訴える。

「北朝鮮に核放棄を促すには、中国やロシアを含む国際社会の結束が必要だ。だが、それを促すうえでも、まずは日米韓の連携が欠かせない。ぎくしゃくした関係が伝わる米韓の間で、日米と同様、北朝鮮に強い制裁と圧力を加えることが先決との認識を再確認した点は一歩前進だろう」

日経社説はこう評価しながらも、韓国は核問題の「平和的な解決」を強調し、対するトランプ氏は「軍事力の行使」も辞さないと米韓の温度差を問題視する。

日本にこの米韓の温度差を解消する役目があると沙鴎一歩は思う。韓国が日本の隣国で、交流の歴史も長く、深かったからだ。ともに同じアジア人でもある。

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