失敗した経験で「お金遣い」の基準を

最近の20代は将来に対する不安から財布のひもが固いという。大川家の妻もその1人。日々節約に励んでおり、複数のスーパーをはしごして安いものを買っているし、洋服はファストファッションばかりだそう。

しかし、家計は毎月3万円近い赤字であり、家計簿を見ると、交際費が5万円、ペット2万円、被服・美容費2万円といった支出も目立つ。ファストファッションばかりと言うが、安いからと大量に流行りの服を買いまくっているし、愛猫のご飯代、トリミング代は惜しまず使っているようだ。また夫は友達が多く、しばしば飲み歩いているという。

普通はこうした支出を指摘し、「浪費」と断ずるかもしれない。しかし私の発想は少し異なる。一概に節約が正しいとは言えず、むしろ、若いうちにお金を使わないのは問題だ。

私は20代の頃、キャバクラでお金を使いまくったり、高価な服を好きなだけ購入したりして、500万円もの借金を抱えてしまった。しかしそうした経験があったからこそ、お金と真剣に向き合うようになり、今、こうしてお金について見解を述べたり、アドバイスできたりするようになった。

節約ばかりを考えていると、将来、かけがえのない財産になるような経験を積みそこなってしまう。若いうちはお金を使うことに臆病にならず、「あのお金は使ってよかった」「あのお金は見栄のために使っただけで無駄金だった」など、お金に対する判断基準を身に付けることが大切だ。基準ができてはじめて、お金を有意義に使うことができるのである。