仲間内との飲み会は、「投資」になるか

支出は、今を生きるために必要な「消費」と、快楽のための「浪費」、将来のための「投資」の3つにわけられる。これをお金の判断基準として意識してほしい。たとえば外食に高額のお金を使っていたとしても、料理やサービスについての知識が身に付き、仕事に生かせるのであれば、その支出は「浪費」ではなく「投資」であり、大いに意味がある。

夫は交際費を5万円使っているが、中身はいつも同じメンバーとの飲み会で「浪費」に近い。対して、先輩、異業種の人など、自身の成長に繋がりそうな人との交流にかかった費用であれば「投資」になり、惜しまず使うべき、というのが富豪的発想だ。もし無駄な出費になったとしても、若いうちなら十分取り返せる。私も500万円の借金を反省し、2年で完済、その後、その経験を仕事に繋げることに成功した。お金の使い方で失敗していいというのが、20代の特権なのである。

20代夫婦に認識してほしいのは「子どもがいないうちがお金の貯めどき」ということである。子どもができると教育費がかかり、貯めるパワーが落ちてしまう。思い切ってお金を使えと言いながら矛盾しているようだが、「支出を抑える」のではなく「収入を増やす」のである。大川家の場合、会社員の夫がすぐに大幅な収入アップを図るのは容易ではないが、妻はパート勤務で収入アップの潜在力が高い。勤務時間を増やしてもいいし、契約社員や正社員を目指す、という選択肢もある。

手取りを100万円から200万円に増やせば、少なくとも100万円は丸々貯蓄できる。1年に100万円貯めれば、元本だけでも10年で1000万円の資産ができる。さらにお金を運用できる期間が長ければ、そこにつく利息も多くなる。

若くて健康な20代の妻が100万円のパート収入に甘んじているのは、大いなる機会損失だ。複数のスーパーを回って支出を抑えるより、収入を増やして将来に繋げてほしい。夫は「浪費」を減らして「投資」を増やし、5年後の収入増を目指す。富豪へのスタートダッシュを図ってほしい。

富豪の掟●消費と浪費を減らして、投資を増やす
消費:住居費や食費など、今を生きていくために必要なお金
浪費:快楽のために使う、無駄遣いのお金
投資:貯蓄や資産運用の資金、自己投資の教材など、将来のために使うお金

(構成=高橋晴美)
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