ハイブリッド車は10万キロ乗ればトク
【金子】薄利多売という意味では、コンパクトカーにも注目すべきですね。
【藤川】コンパクトカーの粗利は20%程度といわれています。高級車に比べると利幅が小さく、原価率が高い。つまり、CPは高いわけですが、当然、値引きは難しい。コンパクトカーは高燃費も売りですが、イニシャルコストの高いハイブリッドカーのCPと比較すると、10万キロを超えたあたりからハイブリッドのほうがトクになります。
【金子】私はホンダ車をベースに、ガソリン代と電気代の差額、イニシャルコストの差額からどちらが高CPかを検討してみましたが、やはり10万キロを超えるとハイブリッドがトクという結論です。
【森永】あのね、いまハイブリッドを買うと補助金が出るから、僕の計算だと6万~7万キロ乗ればイニシャルコストの差額を相殺できるね。僕、プリウスとインサイトに試乗したんだけど、プリウスは質感はいいんだけど、アクセル踏んだときにブインって感じがないの。スーって感じ。運転して楽しいのはインサイトのほうだよ。
【金子】つまり、プリウスは1アクセル当たりの快感指数が低いわけですね!
【森永】CPを上げる裏技としてはね、JR東日本の大人の休日倶楽部カードっていうのがいいよ。これ50歳以上じゃないと入れないんだけど、年間60万円以上切符を買うかスイカにチャージすると、プレミアメンバーズのAAになれるの。AAになるとチャージしたときのポイント還元率が2.5%。この還元率はたぶん日本で最強だよね。このポイントを貯めてスイカに転換(電子マネー化)する。それで、ビックカメラにいってスイカで買い物をするのね。そうすると、現金同様にポイントがつく。つまり、ポイントで買い物してポイントがもらえることになるんだな。
【金子】高速バスも、高CPの注目株です。
【森永】東京発大阪行きのJRバスね。以前あった超得割青春号の補助席(2009年2月をもって廃止)なら、片道2100円だもん。ただ、トイレを我慢しなきゃいけない。高齢者には辛いな。
【藤川】いや、30歳過ぎたら辛いですよ。お尻は痛いし眠れないし。新幹線で東京から大阪や神戸へ行くなら、乗車券だけ西明石往復を買うといいですよ。距離によって割引率が変わるらしく、大阪往復より安いんです。
【金子】私が高速バスをお勧めする理由は、実は富士山にあります。JRバスに東京と大阪を往復するプレミアム昼特急号というのがありますが、これが富士山的にすばらしい。運賃は8000円ほどしますが、たっぷり1時間は富士山を眺めることができます。中高年の方の中には、上京時に富士山を見て感激した経験の持ち主が多く、いまや富士山は大人気です。東海道新幹線から富士山が見えるのは、わずかに8分程度。富士山視認時間当たりのコストを考えると、圧倒的に高速バスがおトクです!
――いやはや、恐れ入りました!
※すべて雑誌掲載当時