人は日々、無意識のうちに商品やサービスを選択している。おトクな選択をするためには何に着眼すべきか。コストパフォーマンスの3達人が“コスパ”の仕組みを激白する。

森永卓郎●獨協大学経済学部教授
1957年、東京都生まれ。80年東京大学経済学部卒、日本専売公社(現JT)入社。2006年より現職。近著に『年収復活!』『モリタク流ポイントカード徹底活用術』など。

金子哲雄●流通ジャーナリスト
1971年、千葉県生まれ。94年慶應義塾大学卒。ジャパンエナジー(現・新日鉱ホールディングス)などを経て独立。近著に『「値切り」のマジック』『超三流主義』など。

藤川 太●生活デザイン代表取締役
1968年、山口県生まれ。93年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。マツダを経てFPとして独立。近著に『貯まる!資産3倍手帳』『20代から始めるお金の設計』など。

――まずは藤川さんから、驚きのコストパフォーマンス(以下、CPと略)体験を伺っていきましょう。

【藤川】なんといっても、サイゼリヤのグラスワイン、100円でしょう。もう、不安になるほどの安さです。しかも、フレッシュで、単純においしい。

【森永】僕はローソンストア100のざるそば、ざるうどん、ざるラーメンだな。105円だけど、十分な量が入ってる。立ち食いのゆで太郎でもよく食べるけど、そば粉が5割以上入って700グラムの特盛りが540円。これもすごいよ。

【金子】CPのよし悪しを判断する基本は、やはり仕入れにスケールメリットがどれほど効いているかでしょう。サイゼリヤは792店舗、同業態のガストは1258店舗。圧倒的にガストのほうが店舗数が多い。同じ価格帯ならば、ガストのほうがCPがいい(原価率が高い)はずです。ただし、ガストの販管費を調べてみると、この会社、赤字なのです。人件費が高いのかもしれません。