また、誰かの家に招かれた際、コーヒーのおかわりをお願いする場合は次のように頼みます。
I wouldnʼt mind a little more coffee.(コーヒーをもう少しいただければうれしいです)
Do you have any more coffee?([コーヒーポットには]まだ残っていますか?)
ちなみに、カフェで、
I would like a café latte and this cake.(カフェ・ラテとこのケーキをいただきたいのですが)
のように注文すると、店員が、
Did you want this cake?(欲しいのはこのケーキですか?)
と過去形を使って聞き返すことがよくあります。日本語の発想から言うと「昔欲しかった」のではなく「今欲しい」のだから、
Do you want this cake?
ではないかと疑問に思うかもしれません。しかし、このような場合には過去形を使うことが一般的です。今ケーキを欲しくても、欲しいと思いついたのは「今この瞬間」ではないからです。似たようなケースに、
I wanted to let you know …(……についてお知らせしたいです)
があります。これも、知らせたいことを最初に思いついたのは今ではないので過去形を使います。
どうでしょうか。これらはほんの一部。日本人が身につけていない「品格」ある英語表現は、まだまだたくさんあります。ネイティヴとの会話に自信を持つためにも、ぜひ「英語の品格」を学んでみてください。
経営コンサルタント。1964年、ニューヨーク州生まれ。イェール大学歴史学部卒業。シカゴ大学経営大学院修了(MBA)。88年より、安田信託銀行東京本社などに勤務後、グローバル人材育成を支援するジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社を設立し、社長を務める。『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)、『製造現場の英語表現』(ジャパンタイムズ)など多数の著書がある。朝日新聞GLOBEで、英語表現に関するコラムを連載中。
大野 和基(おおの・かずもと)
国際ジャーナリスト。1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米学科卒業。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。現在、医療問題から経済まで幅広い分野に関して世界中で取材を行う。『代理出産―生殖ビジネスと命の尊厳』(集英社新書)、『マイケル・ジャクソン死の真相』(双葉社)などの著書、『そして日本経済が世界の希望になる』(ポール・クルーグマン/PHP新書)などの訳書がある。