「出会い系サイトの援交なら夫にバレずに稼げる」

大事なのは専業主婦という形態を崩さずに、ある程度の金を稼ぐことと、夫の転職が決まったらすぐやめられること。もちろん働いていることがバレてはならない。この条件を満たす仕事は何か。

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「出会い系サイトの援交なら短時間で稼げそうだと知り、やってみることにしました」

風俗店で働こうとしなかったのは、時間の拘束を受けるし、なんとなく怖そうなイメージがあったから。夫のことを大切に思いながら、カラダを売ることには抵抗がなかった。被告人にとっては、夫以外の男に抱かれることより、波風を立てずに生活していくことのほうが優先順位は高かったのである。

妻の副収入に気づいた夫はそれを“黙認”した

そんなことより「夫婦間でちゃんと話し合え」と言いたいが、まだ先がある。妻が副収入を得て家計を支え始めたことに夫が気づくのだ。ところが、どういうことか何の仕事をしているか確かめようとはしなかった。この5つめの忖度により妻は逮捕されることになる。裁判時の夫の証言はこうだ。

「短時間でそれなりの高収入を得ていることから、水商売、あるいは風俗店ではないかと推察しました。気にはなりましたが、無職の私を支えるためにそこまで尽くしてくれているのかと。実際、妻の稼ぎで助かっていることもあり、妻が何をしていようと原因は私にあると思い黙っていました。そして私は、一日も早く転職を実現させることで妻の愛情に報いなければならないと、あせる気持ちで職探しを……」

それは違う、と傍聴人のすべてが心の中で叫んだと思う。今すぐ妻にリストラされた事実を打ち明け、妻がしている仕事をやめるように伝えるべきなのだ。