高田氏は努力を続けたから「クォンタム・ジャンプ」できた
「資格の勉強を続けたい」「早起きをしたい」「朝からジョギングをしたい」「日記をつけたい」……多くの人が習慣化したいけれどなかなか習慣化できない悩みを抱えています。同時に複数の習慣を定着させたいという、ちょっと欲張りなご相談を受けることも珍しくありません。
新しい習慣を同時に始めることはできないことではありません。ただ、同時にいくつもの習慣化をすると、1日の時間割は「習慣」項目でたちまち埋まってしまいます。かえって窮屈な気分になり、豊かさは低下します。最終的に睡眠時間を削るといった事態に陥りがちです。
部分最適が全体最適になるとは限りません。
そこで、私がクライアントさんに繰り返しお聞きするのです。「なぜ◯◯を習慣化させたいのですか?」。自分の心の奥底を掘り下げ、欲求の発信源を探ってもらうのです。すると、その根底には、「ダメな自分を変えたい」といった気持ちが横たわっていることがあります。その巨大な欲求が、禁煙や禁酒や早起きやダイエット……という個別の案件となって噴き出していたのです。そうやって、心の奥の感情や欲求とは何かという1つの問題を解くことで、他の問題(課題)が整理できたり解決できたりするのです。
シンプルに考えて問題を見抜くと、少ない労力で最大の効果を出すことができます。
最初は1年1段、でも努力を続けると10年目で20段上がる
【高田明さんの習慣力3:「努力を積み重ねる」習慣】
講演が終盤に差しかかりテンションを上げた高田さんは、テレビでおなじみだった情熱あふれるあの高い声をさらに高くして言います。
「みなさん、1年に1歩の努力を地道に積み重ねる。これが大事なんです。でも1年に1段、5年で5段の階段を上ったとする。多くの人はあと5段上るには5年かかると思いがちですが、実は違うんです。努力を続ける人は、7年目で10段、10年目で20段とどんどん成果の曲線が高まっていく。だから努力を続けることが大切です」
そう強調していました。
いわゆる「クォンタム・ジャンプ」が起きるのが努力の法則だと言うのです。このクォンタム・ジャンプとは、物質のもとである量子(quantum)がある一定のエネルギーを蓄えると、ポンと次元を飛び越えて別の物質に変わっていく現象を指します。
つまり、一定の努力が蓄積すると、別次元の成果が出るという意味です。
高田さんがカメラ店を引き継いで数十年、常に「今を一生懸命生きる」ことを念頭に置き、直面する困難や課題を「シンプルに考える」ように努め続けました。その継続がクォンタム・ジャンプを生み出したのです。