ウォーターゲート事件とそっくり

トランプ大統領の「ロシアゲート疑惑」と「ウォーターゲート事件」はよく似ている。

1973年6月、民主党全国委員会本部で盗聴器を仕掛けようとした男らが逮捕される。ニクソン大統領(当時)はこの盗聴事件を捜査していた特別検察官を解任する。ワシントン・ポストの2人の記者の活躍を描いた映画『大統領の陰謀』を見ている読者はよく分かるだろう。有名な「土曜の夜の虐殺」である。米メディアはコミー前FBI長官とこの解任劇を並べる。

ただニクソン氏とトランプ氏の性格はまったく違う。ニクソン氏は理性的で慎重。それに対し、トランプ氏は本能、特に怒りで行動するタイプだ。疑惑そのものも、トランプ氏の場合は米国家の安全保障に関わる問題だ。それだけにロシアゲート疑惑が今後、どう解明されていくか。目が離せない。

毎日社説は「米国がまぶしく思える」と書く

最後に朝日新聞の社説(6月10日付)と毎日新聞の社説(11日付)。朝日社説は「問われているのは、米国自身が世界に呼びかけてきた健全な民主主義の統治である」と強調する。この社説の中で特に目を引くのは「共和・民主両党に、党派的な思惑から疑惑を扱おうとする動きが目立つのは残念だ」と指摘し、「大統領の政権運営をチェックし、暴走を抑えるのは、司法と議会の責任である。大統領が捜査機関への介入にまで踏みだすいま、議会の責任は重大だ」と述べ、米国議会に大きな責任があるとしている点は、朝日新聞らしく、興味深い。

毎日社説はあからさまに日本との違いを取り上げているところが、実におもしろい。

「日本から見ると、真正面から大統領の疑惑解明に取り組む米国がまぶしく思えるのも確かだ。存在するはずの文書を『確認できない』と関係省庁が平気で言う日本。司法と立法のシステムが健全に機能している米国と日本とでは民主主義の成熟度や権力に対する監視態勢が異なるのか。日米の違いに注目しつつロシア疑惑の調査を見守りたい」

(写真=ロイター/アフロ)
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