森友学園と加計学園の「もりかけ疑惑」が正念場を迎えている。加計学園の獣医学部新設について「官邸の最高レベルがいっている」と書かれた「怪文書」。事務方トップだった前川喜平・前文部科学事務次官は、記者会見を開いて文書の存在を認めた。元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏は、この会見で出た「守秘義務違反では?」という読売新聞の記者の質問に、強い危機感を抱くという――。
学校法人「加計学園」をめぐる問題に関して記者会見する前川喜平・前文部科学事務次官(手前)(5月25日、東京都千代田区/写真=時事通信フォト)

官僚らしからぬ前川元次官の「爆弾発言」

官僚は嫌いだ。だからほとんど付き合いがない。高校生の時、何でもオレは知ってると頭の良さをひけらかす嫌味な同級生がいた。そいつは東大に入り厚生省(現・厚生労働省)の官僚になった。その男のイメージがあるためか、編集者人生の中で官僚とはほとんど付き合いがない。

例外は、赤坂にあった「佳境亭」という料亭だった。そこの女将・山上磨智子は三木武夫元首相の愛人としても知られ、田中角栄をはじめ政治家もよく使っていた。政治家が来れば官僚も集まってくる。