チームプレーに徹し人を育てる

30代はプレーヤーからマネージャーへと選別が始まる時期です。企業を成長させるには人材の底上げが肝心で、経営者はマネージャーに対して仕事で成果を上げるだけでなく、「人を育てる」ことも期待しています。それを理解し、自分のミッションとして遂行できるかどうかが、30代にとって出世街道の分かれ目になるのです。それなのに、自分の力に頼り切った個人プレーに走ってしまい、チームプレーができない人を見かけます。そういう人は、昇進コースからはずれていくでしょう。

結局ここでも重要なのが、メンツを捨て去ることです。メンツにこだわらなければ、部下との間に壁ができず、腹を割って本音で話せます。意思疎通がスムーズなので、部下の強みや弱みをきちんと把握したうえで、的確な指導が行えます。そうしたことで信頼関係が生まれ、部下に思い切って仕事を任せられるようになるのです。

特に部下が女性の場合、日常のコミュニケーションは欠かせません。上司が自分の話を聞いてくれるかどうか、自分の仕事をどう評価してくれているのかを、女性はとても気にしています。「○○の件、進み具合はどう?」と一声かけるだけで、距離感が縮まります。

その部下の指導でアドバイスを一つ。叱るべきときに叱り、後でフォローするのはもはや常識でしょう。最も注意すべきは、同じことで繰り返し叱らないことです。

「一度いえばわかるのに。これってパワハラ?」などと誤解されかねませんので、要注意です。

下元 朗

ライフ・クリエーター/プラウド常務取締役。総合人材サービス会社を経て、2004年に結婚支援サービスを提供するアサイン(プラウド)を創設。転職と結婚の視点に立った、20代、30代へのアドバイスに定評がある。
 
(野澤正毅=構成 高橋健太郎=撮影)
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