「安倍首相補佐官 海外出張でも公私混同の疑い 厚労省女性幹部とコネクティングルーム宿泊」。『週刊文春』にそう報じられた「厚労省女性幹部」は、2月6日、新型コロナウイルスに関する記者会見に堂々と出てきた。なぜ更迭されないのか。麻酔科医の筒井冨美氏が考察する——。
「公費で京都不倫出張」疑惑の厚生女性官僚がのこのこ出てくるワケ
新型コロナウイルスによる肺炎のニュースが日々、報道されている。
感染者が増える中、厚生労働省は連日会見を開いている。2月6日は「ダイヤモンド・プリンセス号における集団感染」に関する会見があったが、そのニュース映像を見て、筆者は「まさか」と驚いた。
厚労省を代表して会見に登場した女性官僚は、『週刊文春』(2019年12月19日号)で「公費による京都不倫出張」という疑惑を報じられた、大坪寛子厚労大臣官房審議官(52)だったからだ。
2011年に「部下との路チュー写真」を報じられて辞職した原子力保安院の審議官、2018年に「女性記者へ『胸さわっていい』発言」を報じられて辞職した財務省の事務次官など、高級官僚の世界は異性とのスキャンダルには厳しい。
にもかかわらず、現在も要職にあり、記者会見にも出られるのはなぜか。そのひとつは彼女が「医系技官」という「医師免許をもった官僚」であるからだろう。
『週刊文春』は2020年2月13日号でも「安倍首相補佐官<和泉洋人>美人官僚と税金でスイートルーム外遊」との見出しで、和泉補佐官が昨年9月に大坪審議官と海外出張した際、ホテルの部屋割りをめぐって外務省に異例の要望を出し、2人の部屋がつながっているスイートルームに宿泊するなど公私混同の疑いがあることなどを報じている。大坪審議官はこの疑惑について衆院予算委員会で「和泉補佐官が体調を崩したから」と衆人環視の中で臆面もなく回答した。
今回は、この医系技官というシステムについて解説してみたい。