「芸能籍」という戸籍
僕のみた夢の中では、テレビに出て活動しているような芸能人と一般人は、「戸籍」によって区別されていました。そして、マイナンバーカードみたいなものに、「一般」とか「芸能」といった区分が表記されていました。「芸能人」にカテゴリされる職業を選んだ人は、1年以内に「芸能籍」を申請・登録するのが決まりです。ただし、未成年については、「一般」と「芸能」の重複が認められていて、20歳までに選択するルールです。
「芸能」に登録した人には、日本の芸能カルチャーを担い盛り上げていく役割があります。そして、一般人とは違う独特のルールや文化の中で仕事をしていかなければなりません。人生の保証はなく、プレッシャーやストレスもハンパではない。その分「一般」の戸籍を持つ人にはない「自由」が認められています。たとえば、「芸能」の戸籍を持つ人たち同士であれば、スキャンダルになる不貞行為も、ただのネタにしかされず、責任は問われない。
一方で、芸能籍ならではの「制限」も課せられます。最も大きいのは、プライバシーの概念です。いかなる場合も芸能記者の質問にはきちんと答えないといけないし、日常生活のプライバシーを暴かれて記事にされても、文句は言えない(訴える権利がない)。そんな感じで、一般人に保障されている権利などが一部制限されてしまいます。そして、もし「一般」の戸籍の人を巻き込んで不貞行為を行った場合は、かなり厳しい罰が法的にも課される、といった感じです。
そんな生活が辛くなった場合は、引退して戸籍を変更することができます。「芸能」の登録を抹消し一般人に戻るのです。すると、芸能界の仕事はできなくなりますが、一般人と同じようにプライバシー保護の主張が可能になります。もちろん、一般人としてのモラルある生活も求められます。