働くことは生活の糧であり、人生の糧である

我が家は、夫が会社経営者で、家事も育児も一切、非協力的。私が仕事をすることに関しては「別にあなたが働かなくてもおカネに困らないでしょ」というタイプ。頼りになる祖父母なども近所に住んでおらず、夫から「子どもが3歳になるまで保育園は禁止」と念押しされていたので、子どもが小さい頃は本当に大変だった、ような気がする。

その後、子供が5歳のときに乳がんに罹患した。

それでも仕事を辞めるという選択肢は一切なかった。私にとって、働くということは「生活の糧」であるとともに、「人生の糧」でもあるからだ。

今を思えば、細々でも、仕事を辞めなくて本当に良かった。経済的にも精神的にも、キャリア的にもさまざまな面において……。女性は、男性に比べて、現場(会社など)から離れている時間が長くなるほど、社会復帰が難しくなることを痛感するからである。

3人の子供を持つA子さんは34歳の専業主婦。23歳で結婚し、その後、妊娠・出産。会社員の夫の収入は安定しているが、住宅ローン返済や子供の教育費などを考えると、末っ子が小学校にあがるタイミングで再就職しようと考えている。

でも、子育て期間中の10年間、A子さんはまったく外で仕事をしていない。「社会に出るのが怖いんです」とA子さんは言う。

「働くのは別にイヤではありません。でも、ずっと子育てしかしていないし、結婚前に働いていたときは、パソコンなどもなくて。これまで触ったことがありません」

ただ、A子さんのように現在、働いていないママさん主婦でも、一定の条件を満たせば、補助を受けながら、おトクに資格取得やスキルアップできる「教育訓練給付制度」がある。

これは、「雇用の安定と再就職の促進を図る」という目的でつくられた雇用保険の制度。条件を満たす雇用保険加入者(在職者)や離職者が、情報処理や簿記、語学など、指定の教育訓練を修了した場合、支払った費用の一定割合(上限あり)について、ハローワークから支給を受けられる制度である。

スキルに自信がない人は、これら就職支援制度等を積極的に活用すればいいだろう。