――どのような声が届きましたか?
日本マクドナルド 副社長兼COO(最高執行責任者)の下平篤雄氏。1978年に日本マクドナルド入社。以来、歴代の社長の下で働いてきた人物である。

【下平】品質に関するものが一番多かったです。社内で行ってきた取り組みをお客様に説明したのですが、なかなかご理解いただけなかった。それが我々にとっては発見でした。例えば原材料の産地やアレルギーに関する情報は以前から公表していましたが、ホームページで公表してもお客様の目には止まりません。それは我々のおごりでした。そこでQRコードを包装紙につけ、携帯ですぐに情報を見られるような仕組みを作りました。

また、品質管理は世界基準に照らし合わせて努力していたつもりでしたが、もっとレベルを上げなければいけないと痛感しました。それから、すべてのサプライヤーさんにご協力いただいて、生産からお店までのプロセスをすべてチェックし直しました。もともと行っていたことなので大きな変更はなかったのですが、チェックの頻度をアップするなど万全の態勢で100%の品質を目指しています。

私どもの意見だけでは自己満足になってしまうので、第三者機関「食品安全専門会議」を設置しました。また、すべてのサプライヤーさんが参加する「食の安全サミット」を2回開催しています。12万人の店舗スタッフにも再度、品質管理についてトレーニングしてもらいました。第三者機関による全店舗の抜き打ちテストも2回行っています。とにかく、やれることは全部やりました。

マクドナルドならではのハンバーガーを提供

――メニューについては、どのような方針でしたか?

【下平】“マクドナルド・ユニーク・ハンバーガー”、つまりマクドナルドならではのハンバーガーを提供していくことを第一に考えています。おかげさまでこの2年の間に、グランドビッグマック、必勝バーガー、クラブハウスバーガー、満月チーズ月見など、数々のヒット商品が生まれ、お客様からも高い評価をいただいております。

2016年4月発売「グランドビッグマック」(520円、単品)。「ビッグマック」の1.3倍の量のパティを挟んだハンバーガー。さらにパティの枚数を倍(4枚)にした「ギガビッグマック」も数量限定で販売された。
――ヒット商品の鍵になっているのはどんなことでしょう。

【下平】美味しさと価格、両方です。「美味しい商品をお得な価格で」が、これまで我々が成功してきた考え方です。これをレベルアップしなければいけません。美味しさとバリュー(=お得感)のバランスをとっていかないと、お客様から支持をいただけないと思っています。

お得感という意味では、200円台のバーガーがなかったので、2015年5月に100円、150円、200円の「おてごろマック」を発売しました。この新しいラインが非常に好評で、合計1億個以上販売しています。