トップ100社は優秀投資先100社

バブル崩壊後の「失われた20年」、日本はなぜ成長できなかったのか、どこに問題があったのかを探るため、2013年に『失われた20年の勝ち組企業 100社の成功法則』(PHP研究所)を上梓、1990年から2010年の20年間に成長した日本企業ベスト100社を掲載しました。今度はその世界企業版を、ということで、書き上げたのが、本書です。

肝になる世界トップ100社のランキング化にはボストン・コンサルティング・グループに全面協力を仰ぎました。

具体的には、2014年時に1兆円以上の売り上げがあった株式公開済み企業を対象に、2000年から2014年の間の1:売上高成長率、2:株価成長率、3:平均利益率の3つの指標を得点化(配分は1:40%、2:40%、3:20%)し、作成しました。

1位がダントツの得点でアメリカのアップル、2位がオーストラリアの食品・生活必需品小売のウェスファーマーズ、3位がイギリスの食品・タバコメーカー、インペリアル・タバコ・グループとなりました。

国別では41社がアメリカ企業でトップ、日本企業は20位のファーストリテイリングを筆頭に10社がランクインし、国別では2位となりました(リスト参照)。

ご留意いただきたいのは、これは過去15年の“バックミラー”で確認した成長企業のリストであるということです。未来永劫、成長し続ける企業はありませんから、15年後に同じ手法でリスト化したら、半分は顔ぶれが入れ替わると見ています。

ただ、15年という中期で見ているので、業績の浮き沈みが激しい、異常値の企業はうまく取り除かれているはずです。そういう意味では、投資家の目線で見た「世界の優良企業100社」リストでもあると自負しています。

30年経っても確実に企業価値がある企業にしか投資しないのが、著名投資家のウォーレン・バフェットです。そのバフェットになったつもりで、世界の企業を見てみたいというのが、この本を書いたもう一つの動機でした。