コップの水は半分「しかない」か「もある」か

自分で生み出す義務感と、自分への報酬というのも、ある種の外的な動機づけにつながるものだ。簡単なのは、「これが終わったらビール」といった類の報酬が考えられるだろう。

ほかには、たとえば何からやったらいいかわからないときなど、やるべきことを切り分けて書きだす。すると、それを「終わらせなければいけない」といった義務感を感じるだろう。そして、それをクリアして、線で消していくといい。この線で消すという作業で達成感も味わえるし、やるべきこともスッキリと整理されていくものだ。

あるいは、やるべきところまでを「何時までにやる」や「どこまでやる」と書きだしておくと、そこにも目標と義務が生み出される。それも、できるだけ達成できる範囲にしてやったことが消せると、また次のやる気につながっていく。

やる気を出すためにできることは多々あれど、ここで挙げたことをまとめると次のようになる。

1.ポジティブな思考づくり
2.大きな目標の手前の、楽な目標設定
3.自分で自分に報酬などの、外的動機づけ
4.期限の設定
5.やるべきことのスッキリ整理

最後の6つ目は、次の通りだ。

6.“まず作業をすること”でやる気を促す

ドイツの精神科医のエミール・クレペリンは、やる気がでないときでも作業をしてみるとだんだんと気分が乗って興奮し、やる気につながるとしている。脳には側坐核という部分があり、側坐核は心で強く思っても働いてくれるものではないが、“とりあえずやる”ことで刺激されて動きだしてドーパミンを放出して、やる気を出してくれるというのだ。

まず動く →側坐核に刺激が伝わる →ドーパミンが出てやる気につながる。

なんとも単純に見えるが、やっているうちに気分がノってくる経験をお持ちの方も多いだろう。このまず動く気持ちを、先述した物事をポジティブにとらえる思考でサポートしてみよう。

よく、コップの水が「もう半分しかない」と捉えるか「まだ半分もある」と捉えるかでその人の幸福度は決まるといわれる。「もう半分しか」と捉えてしまうことで、人は不満を抱えがちになり、思考もネガティブになってしまう。

作業については逆だ。まずはやってみる。そして、「まだ半分もある」のではなく、「もう半分になった」と捉えることでポジティブな思考が生み出され、“やる気”につながりそうだ。

[脚注・参考資料]
『ハーバードの人生を変える授業』タル・ベン・シャハー(著), 成瀬 まゆみ(翻訳)– 2010 大和書房

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