画像・動画解析技術は自動運転へ応用

Liquidの設立は2013年12月。久田康弘代表は中学時代、数学で日本一になるなど理系の天才肌で、大和証券SMBCなどでの勤務の経歴を持つが、以前からプログラミングを趣味とし、オンライン証券の自己勘定プログラムの開発を行ってきたが、画像検索の分野の研究を進め、その応用分野として指紋認証にたどり着いた。会社は当初、久田氏ほか東大で画像処理研究をしていた友人など計3人でスタート。

最初はご多分に漏れず、給与なしで開発に取り組んできたが、会社設立3年後の現在、主要株主には東京大学エッジキャピタル、伊藤忠商事、電通グループ、クレディセゾングループ、NTTドコモグループ、デジタルガレージグループのほか最近、SMBCフィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、イオン銀行などが名を連ねる。

また、経産省の先進的IoTプロジェクト最優秀グランプリ企業として選定されるなど、その実力が次第に認められてきた。

現在、役職員は20人だが、「向こう1年で倍増の計画。採用はAI、画像処理などのエンジニア中心で国籍は問わない」と、Liquid Japanの代表を務める元日本アイ・ビー・エムの保科秀之氏。久田康弘Liquid代表は、グローバル展開、特にアジア地域に重点をおいて事業拡大を図っている。

「手ぶらで決済したものが、預金口座や給与口座から自動で引き落とせるようになると、様々なカードを持ち歩く必要がなくなる」

保科氏は壮大な夢を語る。

それだけではない。久田氏は最近、自動車業界に接近している。Liquidの画像・動画解析技術は自動運転、医療分野などへの幅広い応用が期待される。

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