団塊の世代 リタイア間近で自殺率上昇
50年過ぎた今世紀の初頭をみると、中高年層のゾーンに痛々しい膿が広がっています。不況により、中高年男性のリストラ自殺が多発したためです。1997年から98年にかけて我が国の自殺者数は急増し、年間3万人に達したのですが、その多くが中高年男性であったことが統計からも知られます。
図の左上から右下に走るラインは、世代の軌跡線です。緑色は1946~50年生まれ世代(1960年に10~14歳で、2015年に65~69歳)で、団塊の世代に相当します。この世代は幸運な世代で、子ども期を高度経済成長期の「行け行け」ムードの中で過ごしたのですが、引退の間際になって悲惨な目に遭っています。
赤色は1931~35年生まれ世代で、若い頃に大きな危機に直面しました。私の叔父・叔母がこの世代なのですが、「僕らの若い頃は大変だった……」とよく聞かされます。いやあ、図1のグラフは異世代理解にも役立ちますなあ。
この図法で、いろいろな統計事象を表現してみると面白い。たとえば離婚率のグラフを描くと、最近の30代(子育て年代)の箇所が濃い色で染まっています。一人親世帯に対する支援の必要性を痛感させられます。
ビジネスとの関連でいうと、2つの条件変数により売り上げがどう変わるかを表現するのに使えます。「温度×湿度」の等高線でビールの売上高を表現するなんてのはどうでしょう。用途はいろいろあるかと思います。
次に紹介するのは、年収分布のグラフです。
多くの人は働いてお給料をもらっていますが、その額は属性によって違います。男女差、年齢差、正規・非正規差、職業差……。いろいろな次元の差がありますが、年功賃金の性格が色濃い日本では、2番目の年齢差が顕著です。
加齢によって、年収の分布がどう変わるかをグラフにしたい。こう思った時、どういうグラフにしますか。お馴染みの帯グラフでもいいですが、私なら面グラフにします。この図法だと、どういう見栄えになるか。