年収の年齢変化「官民差」の赤裸々

図2は、男性正規職員(正社員)の年収の年齢変化を、民間と公務員で比較したものです。公務員人気が高まっていますが(志望職業1位は、小学生の段階から公務員!)、年収の官民差はどれほどか。性別と雇用形態の影響を除くため、男性正規職員に限定しています。

帯グラフだとデコボコになりますが、面グラフでは変化が滑らかな曲線で見て取れます。年収600万以上は赤枠で強調していますが、公務員は年功賃金の性格がはっきりと出ています。年齢を上がるにつれて、自動的に高収入のゾーンが垂れてくるというわけです。

しかし公務員には天井があるようで、年収1000万以上の高給取りは民間のほうが多くなっています。

上記は官民差ですが、先ほど例示した観点(男女差、年齢差、正規・非正規差、職業差……)で、同じグラフを作ってみると面白い。時代差も明瞭で、1992年と2012年のグラフを並べると、年収200万未満のワーキング・プアのゾーンが拡大しています。「失われた20年」の可視化です。

大学の統計学の授業で、このグラフを学生さんに作らせたのですが、目の色を変えてエクセルの画面に向かっていました。皆の作品を黒板に貼り出したら、実に壮観でしたねえ。