食事がなかなか取れないときの秘策
練習後、すぐに食べるクラブハウスの食事にも疲労回復のポイントが隠されている。同チーム、そしてサッカーJ1の横浜F・マリノスの栄養アドバイザーを務める公認スポーツ栄養士の橋本玲子氏は、次のように語る。
「アスリートの食事メニューは現在、世界的に低脂肪・高タンパク・高ビタミン・高ミネラルへとシフトしています。ドレッシングは必ずノンオイル、揚げ物は控えるというストイックな選手もいます」
体脂肪率の増加を防ぐには、脂質を制限したうえで、体づくりに重要な肉や魚などのタンパク質を摂取するのがお勧めだ。さらに、現代のビジネスマンにとってより重要なのは高ビタミン・高ミネラルな食事だという。
「いくらご飯や肉を食べてても、それをエネルギーに変換するための栄養素が不足すると疲れはとれません。そこで、選手たちにはビタミンやミネラル補給に効果がある野菜やフルーツを勧めています」
熱に弱いビタミンやミネラルを加熱せずに摂取できるフルーツは、天然のサプリメントともいえる存在だ。旬のものを毎日200グラム程度摂取するのが理想だという。
トップアスリートのこのような疲労回復術には、ビジネスマンにも応用できるポイントがいくつもありそうだ。仕事のパフォーマンスを上げるために、自分に合った回復法を見つけてみてはいかがだろうか。
疲れを翌日に残さないリカバリー法
[1]運動の2時間前から水分補給
運動の大敵は脱水症状。こまめに水分を取り、運動前後で体重の増減が2%以内が理想だという。
[2]食事は運動後30分以内に
運動後、すぐに失った栄養を補給するのが疲労回復の鉄則。栄養素に偏りなく取るように心掛ける。
[3]果物は1日200g程度
激しい運動の後で食欲のないときにはフルーツでエネルギーと水分を補給する。外食が多く栄養が偏りがちなビジネスマンも意識して取ることで体調改善が図れる。200gはりんご・なしでは1個、キウイで2個程度。