強豪をしのぐ成績を携えての帰国
リオデジャネイロ五輪では日本勢の“メダルラッシュ”がつづいている。メダルにはあと一歩届かなかったけれど、男子セブンズ日本代表は世界を驚かせた。昨年のラグビーワールドカップ(RWC)の日本×南アフリカ戦に次ぐ、男子セブンズの王者ニュージーランドを破るというアップセット(番狂わせ)。
ラグビーの母国、英国のメディアはこう、評した。
「JAPAN ARE RUGBY GODS!(日本はラグビーの神)」
男子セブンズ日本代表はその後、ワールドセブンズシリーズ優勝経験のあるケニアも、優勝候補のフランスも倒した。3位決定戦で南アフリカに屈して4位に終わったが、リオで応援した日本ラグビー協会の坂本典幸専務理事は「躍進」と表現した。
「15人制が(昨年のRWCで)世界のトビラを開いてくれたところに(リオ五輪で)一歩踏み込めた。準決勝まで進んだことを大変誇りに思います」
セブンズの歴史をみれば、この成績がどれほどの価値をもつかがわかる。世界の強豪がそろうワールドセブンズシリーズの全戦に出場できるコアチーム(15チーム)に入るかどうかのチームだった日本男子が、リオの地で同シリーズ常連の格上を次々と撃破したのだから。ニュージーランドや豪州より上の成績を残したのだから。
それも、日本協会の5年間の強化があったからだろう。五輪とは、その国の競技団体の総合力の勝負となる。それまで、15人制を主体とする日本ラグビーにあって、セブンズは選手集めにも苦労していた。だが、日本協会が強化に本腰を入れ、所属企業から選手拘束の許可を得るなどして、セブンズに特化した練習環境をつくってきた。
当然、強化資金もアップし、スポンサー資金も集まるようなってきた。男子セブンズ日本代表は年間、約160日と、合宿&海外遠征も充実させてきた。なんといっても、五輪競技となって、日本ラグビー界の人々のセブンズへの理解が深まったのである。