永田町で女性議員が生き抜く難しさ

国会議員となってからは、典型的な男社会である永田町において女性議員として政界を生き抜く術を学ばなければならなかった。

蓮舫「つねに『女のくせに』と『女だから』との闘いなんです。だから、我を張って生きていないといけない」

小池「嫉妬の世界である永田町ではマイナスであろうか。女ヘンの二文字『嫉妬』を男ヘンに変えてほしい」

こう吐露した言葉からは、少数派である女性議員の孤独と苦労がうかがえる。そうして男性の政治家に嫉妬され、見下されながらも、二人は大臣というポストを手にする。蓮舫は、民主党政権の内閣府特命担当大臣として行政の仕分けを担当し、スーパーコンピューター開発の予算編成について「二位じゃだめなんですか」と発言して、賛否両論を呼んだ。

蓮舫の自伝的著書『一番じゃなきゃダメですか?」(PHP研究所)

蓮舫「私たちは研究のためのお金を削るためにやっているわけではなくて、税金が適正に使われているかということで仕分けをしていたんです」

「天下りがいて、人件費を国庫から引き出すために赤字の施設を、営業努力もなしに維持していく。これをまだ続けますかということを問わせていただいたわけです」

今回、立候補する際にも、事業仕分けの試みを「孤独なまでの闘いだった、人・モノ・金。その癒着の抵抗は相当高かった」と振り返り、再び政権を取った際には、まず行政改革に取り組みたいとしている。こうした理念は、現在、小池が都議会に都知事報酬の半減案を出したように、両者に共通している。蓮舫が語ったように、しがらみの少ない女性政治家だからこそ思い切った財源カットができるのだろうか。

小池は環境大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)、防衛大臣を歴任し、その経歴の華やかさは女性政治家としてトップクラスだ。その中でも、環境大臣として「クールビズ」を成功させたやり方を、現在は子育てや介護の分野で活かそうとしている。10/1に開所する「とちょう保育園」は、その第一弾になるだろう。

小池「クールビズを導入したときのように、子育ての分野で『大義』と『共感』の両方を満たすような手法がないものだろうか」

政治家としての二人の武器は、なんといっても演説の上手さ。元TVキャスターだけあって、どちらも甲乙つけがたいほど、語りに力がある。小池は「都民ファースト」、「クールビズ」など得意の英語を盛り込んだキャッチフレーズを作るのが上手く、蓮舫の言葉にはそうしたコピ―ライター的な才覚は感じられないが、とにかく舌鋒が鋭く、「一番じゃなきゃダメですか?」に代表されるような疑問・反語形の呼びかけが印象に残る。