関大、帝京、早大などが転職斡旋を開始
現在、人材紹介会社の主戦場の1つとなっているのが、入社3年目までの「第二新卒」層だ。転職希望者の多くは、リクルートエージェントやインテリジェンスをはじめとする人材紹介会社に登録し、専門のキャリアコンサルタントに相談する。履歴書の書き方や面接のポイントなどのアドバイスを受けることができ、転職を希望する企業の形式に合わせて模擬面接をしてくれる会社もある。企業に応募し、数度の面接を経て内定が出れば、晴れて転職が成立することになる。
人材紹介会社を通じた転職者が増える中、第二新卒の卒業生に対し、民間企業と同じように転職斡旋を行う大学も出てきている。少子化が進む昨今、学生を確保する1つの策といえよう。
その先駆けが関西大学だ。同大学は、2005年11月に「卒業生就業支援室」を設立。同大学OBの南部靖之氏が社長を務めるパソナグループの関西雇用創出機構と業務提携を行っている。卒業生は、ビジネスマナーや履歴書の書き方などの講座、カウンセラーによる相談などを無料で受けることができる。転職を希望すれば、届いた求人の中からマッチングを図ってくれる。
「昨年度の利用者数は728人。そのうち484人が第二新卒です。利用者は年々増えていますね」(関西大学・卒業生就業支援室)
関東では、帝京大学が同様にパソナグループの関東雇用創出機構と提携し、転職支援を行っている。同大学の第二新卒の卒業生130人が07年度にこのサービスを利用。「企業の本社が多く集まっている日比谷に事務所を構えているので、卒業生には便利だと好評です」(関東雇用創出機構・帝京大学生専用相談室)という。
このほか、追手門学院大学では、民間企業と提携するのではなく、大学の職員が直接、就職相談を行うサービスを昨年3月より開始。早稲田や立教大学などの上位校も、関連会社を通じて転職斡旋を行っている。
だが、どんなに高い学歴を持っていても、優れたサービスを受けようとも、面接を通過しなければ転職できないのは自明のこと。リクルートエージェント・コーポレートコミュニケーション室部長の柴真樹氏はこう話す。
「企業側は学校のレベルを以前よりこだわらなくなっていますね。結局、その人の人柄や、前の会社で何をしてきたかが、重要になるんです」
転職を志すのであれば、まずは今の経歴に磨きをかけることが先決だ。
※すべて雑誌掲載当時