▼トヨタ・豊田章男社長の72時間

<5/26>

16:30 ドイツ・フランクフルト空港に到着。そのままニュルブルクリンクへ。
20:00 予選1回目のスタート。予選は全部で2回。北コースの約20kmでタイムを競う。決勝はGPコースを加えた約25km。速度域の異なる150台以上が一斉に走行する。(写真1)
20:10 レーシングスーツを着た豊田社長がピットに登場し、チームを激励。
20:40 急遽、豊田社長が「モリゾウ」として走ることになり、ヘルメットを装着。(写真2)
20:50 「LEXUS RC」でコースへ。豊田社長がニュルを走るのは約1年ぶり。「世界一過酷なコース」をエンジン全開で走る。
21:30 ゴール。2周を走り、後続ドライバーと交代した。

<5/27>

9:00 6年前に成瀬弘氏が亡くなった事故現場のそばで手を合わせる。成瀬氏はトヨタのチーフテストドライバーで、豊田社長の運転の師でもあった。(写真1)
10:20 2007年の初参戦では中古の「アルテッツァ」二台でレースに出た。レースでは豊田社長の車両に同じチームの後続車両が接触。トヨタのブースに展示されていた車両を使って、豊田社長がその経緯を解説してくれた。(写真2)

<5/28>

11:50 ドライバー、メカニックなどチーム関係者全員が参加する決勝前の決起集会が行われる。豊田社長は「去年よりも多くの距離、周回数を走れるように」と話した。(写真1)
14:00 ニュル名物のピットウォーク。出走を控えた車両の間を、大勢の観客が行き交う。(写真2)
15:30 決勝スタート。
16:20 高地特有の激しい雨のため、複数のマシンがスピンアウト。赤旗が振られ、レースは一時中断に。ところによっては雹も降った。(写真3)
19:30 約3時間の中断を経て、レース再開。
23:00 レースは夜通しで行われる。日没はこの頃で、ドライバーは先行車のテールランプを頼りに走る。

<5/29>

6:30 豊田社長がガレージを激励。「LEXUS RC」はマシントラブルで長時間のピットイン。(写真1)
14:45 ゴールまで残り45分のところで、「LEXUS RC」がリタイヤ。メカニックらは悔し涙を流していた。(写真2)
15:30 ゴール。3台中2台が完走。
16:00 ゴール後のドライバーを祝福。豊田社長は「いくつか悔し涙もあったが、久々にニュルらしいレースができた」と話した。(写真3)

【著者略歴】稲泉 連(いないずみ・れん)
1979年生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2005年『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死』(中公文庫)で第36回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。本稿で触れた豊田社長と成瀬弘氏の挑戦の物語は、著書『豊田章男が愛したテストドライバー』に詳しく描かれている。
(プレジデント編集部=撮影 トヨタ自動車=写真提供)
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