●帝京大学医学部 外科准教授 新見正則先生の場合

朝の習慣で大事なのは、決まった時間に起きて朝日を浴びること、と言うのは帝京大学医学部 外科准教授の新見正則氏も同意見だ。

「前日の寝る時間はバラバラかもしれませんが、基本的に起床時間の誤差は1時間まで。体内時計のリセットになるので、起きたら朝日を浴びてください。曇りの日も同様です」

休日も起床時間の誤差は1時間以内だが、どうしても耐えられなかった場合、決まった時間に一旦起きて朝日を浴びれば、また寝てもいいという。「眠りのリズムを作って、崩さなければいいのです」。

朝食については、新見氏は「摂っても、摂らなくてもOK」派だ。ただし、それは時間がないなら摂らなくてもいい、ということではない。

「体内の脂肪をうまく燃やせる人は、食べなくても脂肪からブドウ糖を作れる機能が体に備わっているので、朝食を摂らなくても問題ありません。一方で、食べないと頭が回らない人、食べないと寒いと感じる人は、朝食を摂らなければなりません」

朝食を食べる際の内容だが、「主食、甘い物、果物といった炭水化物を摂らないこと」だという。

「現代の食事は炭水化物が多すぎ、糖尿病患者が増えています。例えば、納豆でも炭水化物は摂れますから、わざわざ主食や甘い物で摂りすぎないこと。食べたい人は、お酒と同じように、摂取しすぎると体に害だと知って食べましょう」

予防医学研究者 医学博士 石川善樹
1981年生まれ。東京大学医学部を経て、ハーバード大学大学院修了。企業・組織の健康づくり調査・研究などを行うCampus for Hおよび、がん検診の受診率をあげる、キャンサースキャンの共同創業者。近著に『疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座。
 
帝京大学医学部 外科准教授 新見正則
1959年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、オックスフォード大学大学院に留学、98年博士課程修了。2002年より現職。医学博士。漢方も使える臨床医、移植免疫の研究者でもあり、13年イグ ノーベル賞受賞。著書に『3秒でわかる漢方ルール』『長生きしたけりゃデブがいい』ほか多数。
(大森大祐=撮影)
関連記事
朝、根性ではなく、技術で起きるコツ6
「朝食を抜くと健康に悪い」のは本当か?
食事の量は、満腹まで食べる派? 腹八分目派?
なぜ朝時間は重要なのか
デキル朝型人間vsデキル夜型人間「1週間の予定の立て方」