次に、「血糖値の乱高下」には、どのような対策があるのか。それは何と言っても、糖質を摂りすぎないことに尽きる。それに加えて、食べるときの順番に気をつければ、急激な血糖値の上昇を防げる。
「繊維質を先に食べると、血糖値の上昇がゆるやかになります。一口目は御飯やパンではなく、野菜などから食べましょう。いきなり単品だけ食べるなら、卵やチーズ、大豆製品などのタンパク質もおすすめ」(脳科学コメンテーター 黒川伊保子氏)
また朝はパンだけ、という人も多いが、それでは糖質に偏る。朝から卵や肉などタンパク質も摂るようにしたい。卵は1日1個までにしないとコレステロール過多になると言われていたが、それは間違いだということが最近わかった。卵は食べすぎることでアレルギーになることも少ない食品。職場でも小腹が空いたら甘いものではなく、脳に必要な栄養素満載のゆで卵を食べるといい。
“逆上スイッチ”が入るのを止める「魔法の言葉」
自分が「キレにくくなる」方法は以上だが、自分を攻撃する他人を「キレにくくする」にはどうすればいいのだろうか。まず考えられるのは、コミュニケーションによる方法だ。
「何かうまくいかないことがあってキレている人は、本人も辛いんです。できれば落ち着かせる言葉をかけてあげるといいですね」と語るのは黒川氏。その言葉とは、「私が◯◯すればよかったですね」というもの。たとえば約束を忘れた上司に「もう一度、リマインドすればよかったですね」と声をかける。納品を間違えた取引先に「こちらも繁忙期を避ければよかったですね」と言ってあげる。
失敗を許された人は、自然に他者の失敗に寛大になる。逆に、キレる人は、追い詰められてきた人が多い。多くの場合、親からそう育てられてきている。人は失敗を許してもらわなければ、狭量な気持ちから抜け出せないのだ。
この、「私が◯◯すればよかった」というフレーズは、責任感を匂わせるので、周囲にリーダーの素質を感じさせる出世言葉でもある。キレる人対策ではなくても、言ってみる価値がある。