「イライラ・クヨクヨ習慣」の源流をたどれば……
前回のコラム「成功者でも、心の25%は『苛立ち・自己嫌悪』(http://president.jp/articles/-/15071)」で私が強調したことは、人がネガティブな感情に襲われるのは性格の問題ではなく、言葉の使い方の影響が大きいということでした。要するに、自分で使っている言葉に苦しめられているということなのです。
魚にとって水が不可欠なものであるように、私たちにとって言葉は他人とコミュニケーションをするための不可欠なツールです。また、ひとりで思考するときも言葉を使っています。しかし、コミュニケーションするときも思考するときも、使う言葉に関してほとんど無意識的であるがゆえに、コントロールできていません。
今回は、40歳男性Aさんの例をご紹介します。
▼家族につい怒鳴ってしまうAさんの悩み
Aさんは、2児の子どもを持つ40歳の男性です。彼の悩みは、「いつも家族に怒鳴ってしまうこと」。何度も我慢しようと思うのですがつい怒鳴ってしまい、家庭の雰囲気が悪くなります。その度に自己嫌悪感でいっぱいになるのです。このイライラする習慣を何とかやめたいというのが相談内容です。
さて、このケースを聞いてどう処理すればいいでしょうか?
前回ご紹介したように、人は省略・歪曲・一般化された2次情報を元にしばしば思考します(編集部注:人は、あるがままの1次情報をそのまま受け取ることができず、その1次情報を省略・歪曲・一般化して思考処理をした2次情報を見てしまいがちだということ。ちなみに、省略とは全体の一部しか見ないこと。歪曲とは自分独自の考えで評価すること。一般化とは物事を単純化すること)。
この原則に気づくことが重要です。
今回は、この歪んでしまった認識(2次情報)を1次情報に戻していくようにします。そこから事実が見えて何をすればいいかが分かってくるようになります。違った枠組みで物事を見るようにすれば、解釈も変わり、その結果、感情も変わります。この現象を専門用語で、「リフレームを起こす」といいます。
では、まず諸悪の根源である、歪んだ考えを生み出す9つの言語パターンをご紹介します。少し難しいかもしれませんが、最後にAさんののケースで解説しますので、ざっと目を通してみてください。