現在、引き受けているのは仙台市中小企業活性化会議の委員や筑波大学の客員教授、ベンチャー企業の顧問といった仕事。仙台市の委員は交通費と時給1000円程度、客員教授は時給1000~3000円、ベンチャーに至ってはほとんど無給だ。
仕事の内容に加え、仕事にかかる時間からも、森川氏は「選ぶ・捨てる」を判断している。
「基準は10分です。それ以上かかる見込みの仕事は基本的にしない。作業も意思決定もたいてい10分以内に済ませます。提案書や講演資料の作成も10分。その時間内でできない仕事は情報不足や、誰かに会わなければいけないなど条件がそろわないということ。一度“捨てて”、たとえばツイッターで情報が欲しいと投げかけておいて、集まったら取り組みます」
会議についても、集まるまでに選択肢を用意しておき、その場では決断するだけにしておく。15分から30分で終わることがほとんど。それ以上の時間がかかる見込みの会議は開催しない。
外部の人と「とりあえず会う」のもやめた。会っても雑談に終わるし、「次は上司と……」など余分なことが増えるからだ。
「会う前に目的を決めておくことが大事です。会いたいと言われたら、目的はなんですかと詰めていきます。すると、たいてい今回はやめましょうと相手から断ってきます(笑)。挨拶に行くだけで往復とムダ話で3時間使いますからね。それだけあれば、10分の仕事が18個もできます」
エクセルを使ってムダ時間を捨てる
森川氏のように、「未来の成長」を描くことができず、「自分の思い」を明確に持っていないという人もいるだろう。その場合、どのようにして、「選ぶ・捨てる」の基準を見出せばいいか。
お勧めは、エクセルを使ったムダ時間の見直しだ。森川氏は15年来、毎週末にエクセルを使って、1週間の中にムダな時間がなかったかを精査してきた。理想の時間の使い方と比較・分析し、なぜムダな時間が発生したのかを徹底的に掘り下げ、修正していく。