陣容刷新でなでしこ再浮上なるか
澤さんはかつて、なでしこらしさとは「最後まであきらめずに戦う姿勢」と言ったことがある。みな、あきらめずに一生懸命には戦った。ただ、一体感が希薄だった。澤さんはNHKテレビの中国戦の解説で「意思統一ができていない」とつぶやいた。
こういった選手の意思統一やコミュニケーションはプレッシャー下の実戦経験とハードワーク、し烈なチーム内のポジション争いから作られていく。体力、技術だけでなく、心身のコンディションからも影響を受ける。
なでしこは第4戦のベトナム戦の前、中国が韓国を下した時点でアジア予選敗退が決まった。ベトナム戦(6-1)後、佐々木監督はインタビューでこう、言った。
「初戦(豪州)で勝利することができなくて波に乗れず、2戦目(韓国)もしっかり勝ち取れなかった。なかなか自分たちの風が吹いてこなくて、難しい予選になりました。勝てなかったのは、僕のせいです」
まずは、なぜリオ五輪出場を逃したのかの徹底検証が大事である。その上で、どんな新しいなでしこができあがるのか。どうやって、這い上がっていくのか。
これで佐々木監督は退任することになった。宮間主将ほか、何人かのベテランも代表引退を決断するだろう。3年後のW杯、4年後の東京五輪に向け、どんな新たなチームが編成されるのか。大事なリオ五輪キップを逃し、なでしこジャパンは大きな転換期を迎えたことになる。