若いベンチャー経営者が生まれることを期待
――千本さんの最も大きな役割は何ですか。
彼らは非常に優秀な人材の集まりです。おそらくマネージメントとしては日本でも屈指の優秀さをもっている。しかし、もっと大きなスケール感が必要。私が昔、イー・アクセスやイーモバイルをスタートしたのもレノバが設立された時期と同じぐらいの時期でした。イーモバイルは4000億円のファイナンスをしてやってのけてきたわけです。レノバも同じぐらいの年限で何千億円のスケールのファイナンスをすることができるようになると思います。米国のベンチャー企業は強力な成長力や突破力をもっていますが、そんな力をもつことがこの会社の課題なのではないかと思います。
――50メートの山しか登ったことのない人と、5000メートルの山に登ったことある人ではその見える景色全く違います。それを伝えるのは大変なのではないですか。
たとえていうなら、レノバは15年かけて50メートルの山に登っているのですが、たしかに5000メートルの山に登らなければわからないことがある。そのためにはレノバとしてはこれから一皮むけて5000メートルのところにいくマネージメントにしていかなければならない。そのために私が入ってきたのだと思います。
――ベンチャー企業が成長をするためには何が必要だと思いますか。
ベンチャー企業というのは、経営思想、ミッションを明確に示して、共有していくことが大切です。そのためには会社を貫く「経営哲学」を全社員に沁み通らせなければいけない。
――以前、千本さんは大学で研究していたときに、米国では一番優秀な人がベンチャーの経営者になり、その次がそのナンバー2に、そしてその次がコンサルタント会社、そしてあまり優秀ではない人間が公務員になると話をしたことがありました。
アメリカ人というのは、基本的にはキリスト教精神と西部開拓史、フロンティア精神があると思います。常にフロンティアの開拓をしたものがその果実を得ていかなければいきていけなかったという精神が流れていると思います。だからアメリカのベンチャー企業の経営者は会社を作ったときから社会的な視点をもっているし、はものすごい突破力をもっています。日本にもそんな若いベンチャー経営者がどんどん生まれてくることを期待したいし、応援していきたいと思っています。