「5~10年は単独で問題ないが、20年、30年先を考えて今回の経営統合に至った」。2015年12月3日に開かれたJXホールディングス(HD)との統合会見で、東燃ゼネラル石油の武藤潤社長は長期的な視野に立った判断を強調した。少子高齢化やエコカーの普及で国内の石油需要は減り続け、今後も先細りとなるのは確実。この危機感から7月末に出光興産と昭和シェル石油は経営統合の協議入りを発表した。だが、外資系の東燃ゼネラルは石油業界でも随一の精製技術を持っているとされ、「単独での生き残りは十分可能」(東燃関係者)という声は社内で強かった。
東燃ゼネラル石油社長 武藤 潤(AFLO=写真)
東燃ゼネラルは2000年に親会社のオイルメジャー、エクソンとモービルの合併に伴い、東燃とゼネラル石油が統合してできた会社だ。大手石油元売り幹部は、両社のOBについて「会社の将来をめぐり路線対立があり、経営にも影響を及ぼしてきた」と説明する。冒頭の発言をした武藤氏の念頭には、こうした動きを牽制したい思いもあったはずだ。
武藤氏は工場での勤務経験が長く、和歌山や川崎の主力製油所で工場長も務めた。今回の統合により、今後は国内で計11カ所になる製油所の統廃合と競争力の強化が焦点となる。武藤氏は大きな力を振るうはずだ。一方、統合の形態は東燃がJXHD傘下の元売り会社、JX日鉱日石エネルギーと合併。武藤氏が合併で生まれる新会社で枢要な地位を占めるのは当然だが、持ち株会社のJXHDにも幹部として入り、どんなポストに就くかにも注目が集まりそうだ。
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