バイクやマリン事業が稼ぎ頭のヤマハ発動機が新中期経営計画を策定。2016年から18年までの3年間で連結売上高を2割強アップの2兆円、営業利益率10%水準を目標に「攻め」の経営に挑戦する。新3カ年計画が始動する今年の仕事始めの日、柳弘之社長は国内外6万人のグループ社員に向けて、年頭メッセージを発信した。「皆さんがチャレンジできる『場』をたくさんつくりたい。その『場』で、皆さんが主役になって、語り合い、考え抜き、工夫・実践して、成果につながるような仕事をしてもらうことを期待する」。

ヤマハ発動機社長 柳 弘之(AFLO=写真)

柳社長はこの3月で丸6年を迎える。10年の就任当時はリーマン・ショックの後遺症で巨額の最終赤字、無配転落、役員報酬カットなどの危機的状況だった。しかし、「どん底からの発進」というピンチをチャンスと捉えて、海外駐在での豊富な経験を活かし、生産体制の再編など大規模なリストラに踏み切った。ただ、全社の意識統一や企業文化を守るため、苦境下でも「ラグビーやサッカーの企業スポーツは欠かせない」と、スポーツ支援をやめなかった。その決断が、15年ラグビーW杯で脚光を浴びた同社所属の五郎丸歩選手たちの活躍にも結びつく。

次の成長ステップについて、柳社長は「ひとまわり・ふたまわり大きな『個性的な会社』の実現」と強調する。中でも「ひろがるモビリティの世界」では「二輪、三輪、四輪で技術力とブランド価値を高めてヤマハらしい個性的な乗り物づくりに挑む」と意欲満々だ。

ヤマハ発動機社長 柳 弘之(やなぎ・ひろゆき)
1954年、鹿児島県生まれ。78年東京大学工学部卒業、ヤマハ発動機入社。2004年YMI(インド)社長。07年執行役員、09年上席執行役員生産本部長、10年より現職。
(写真=AFLO)
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